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吹奏楽アレンジのためのFinale活用術

読みやすい楽譜を用意する。限られた作業時間を乗り切る。やりたかった編曲を始める。全ての吹奏楽指導者の皆様へ向けた、Finale活用術のご紹介です。

Vol.2 リクエストに応えるため。アレンジのサポートに

団員からのリクエスト曲が市販されていなかったり、部活動の編成に合うアレンジではなかったり、と編曲が求められる機会は多いものです。例えば、人数が足りず他の楽器で補強したり、特殊楽器の代役が必要であったりと、他のパート(楽器)にフレーズを移動する場合にやっかいなのが、移調楽器への移動や、演奏者の習熟度に合わせた音域調整などです。

そんな場合もFinaleで効率的に作業をおこなえます。また、音楽の先生でも吹奏楽は専門外といった場合も、ちょっと面倒な吹奏楽特有の部分はFinaleが強力にサポートしてくれます。

一度Finaleへ入力すれば、手書きと異なり、そこから先は編集の可能性が広がります。別記事「楽器別フィナーレ活用術VOL.3:管楽器編」には高速ステップ入力を始めとしたFinaleならではの快適な音符入力方法をご紹介していますので、併せてご参照ください。

吹奏楽


移調楽器の設定:調号や音高に悩むことはありません

「不在のオーボエ(in C)のソロをソプラノ・サックス(in B♭)で演奏する・・・」よくある光景ですが、Finaleなら移調した譜面を部分的に用意することも簡単です。

右下の図は、ピアノ(in C)の右手パートをトランペット(in B♭)の五線にドラッグ&ドロップでコピーした様子です。トランペット・パートは、スコア・マネージャーで移調楽器として設定済みのため、正しい調号や音高に自動で移調されます。

トランペットの五線に貼り付けた瞬間、音符の位置も自動で切り替わる。五線ごとに正しく移調楽器設定しておけば、このようにドラッグ&ドロップだけで正しくコピーされる。

※Finaleのオンライン・ユーザーマニュアルで、スコア・マネージャー移調楽器の詳細をご覧いただけます。

セットアップ・ウィザードなら設定済み五線を自動処理

セットアップ・ウィザードには、吹奏楽(フル編成)のプリセットが用意されており、設定済み五線をすぐに用意できる。五線を後から増減することも可能。移調楽器を設定するには、知識が必要で手間も掛かりますが、セットアップ・ウィザードで作成した五線には必要な設定が自動で反映されます。

管弦楽曲を吹奏楽アレンジにするような大規模な作業でも、吹奏楽フル編成の五線をすぐに用意して作業を始められます。

設定や移調など単純作業は自動に任せて、移動先パートを何にするか、Pizz.を管楽器で表現するにはどう表記するべきかなど、よりクリエイティブな作業に力を入れることができる。◆移調楽器の設定と作業効果の例

例えば、アルト・サックスやバリトン・サックスはE♭菅、ソプラノやテナー・サックスはB♭菅ですので、長6度上げ?長3度上げ?さらにオクターブ上げ?と、慣れていないと正しく移調設定するのも難しいものです。

移調方向が上下異なると、演奏がオクターブ変わることになるので意図せぬサウンドになる恐れがありますが、セットアップ・ウィザードなら正しく設定されるので安心です。

右上の図は、管弦楽のストリング・セクション(in C)を吹奏楽のサクソフォーン・セクションに一括でコピー&ペーストしたところです。ドラッグ&ドロップするだけで、サクソフォーンのそれぞれの移調楽器設定に合わせて正しく移調表記されています。

移調楽器を実音で表示

一時的に調号や音符をin Cに切り替えられる。慣れない移調楽器でピッチをイメージできない場合にはとても助かる。

Finaleでは、移調楽器が含まれたスコアを一時的にコンサート・ピッチで表示できます。ピアノで音を確認したい、移調読みは苦手、といった場合には、「移調楽器を実音で表示」に切り替えると便利です。

このようなちょっとした便利な機能も、単純ミスの回避や効率化につながるでしょう。

演奏可能な音域かを習熟度ごとにチェック

「初級者用」に設定した表示例。初級者では演奏困難な音域が一目でわかる。なお、「上級者用」に設定を切り替えても黄色のままの場合は楽器の構造上音が出ない可能性があるので要注意。専門以外の楽器のチェックに役立つ。

管楽器では、演奏者の習熟度によって演奏可能な音域がずいぶん違います。学生バンドではその差は特に顕著でしょう。

「音域外の音符」機能では、初級者〜上級者を設定して、音域外の音符は黄色で表示してくれます。これなら、編曲でパートを割り振ったり、ユニゾンでサウンド補強したりする場合にも、音域に無理がないかを事前チェックすることができます。



まとめ

部活動などでは、年度ごとにパートのサウンドが異なることもしばしば。これらのアレンジ支援機能は、例えば、毎年演奏する校歌を演奏者の習熟度に合わせてアレンジ変更したり、パートの補強や割り当てを変更する際などにも使えます。日頃から楽譜をFinaleファイルとして保存しておけば、作業時間はごく短くて済むことでしょう。




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