TIPS 5. 入力済みの音の高さを簡単に変更する方法
【対象グレード】Finale, PrintMusic

入力済みの音符の音高を変更する手段として、ステップ入力あるいは高速ステップ入力ツールを用いて音を個別に変更することが可能ですが、選択ツールを使用してワンアクションで音高を変更する方法をご紹介します。しかもこの方法ならば、数小節まとめて変更することも可能です。
例として、下図のように3小節目の1〜2拍目に間違えて入力してしまったA音をG音に修正してみましょう。
【手順】

(1)まずは、修正したい範囲を選択ツールで囲んで選択状態にします。
(2)ここで数字キーの「6」を押してみましょう。(この時、半角英数入力モードになっていることをご確認ください)

すると…瞬時に音が1音下がり、正しいG音になりました!

実は、このテクニックは「ユーティリティ」メニューの「移調」機能をショートカットで実行しているものとなります。「6」「7」「8」「9」のキーにこのような機能が割り当てられているのです。

(3)では試しに、最初の状態から「7」を押してみましょう。1音上がってB音になります。

(4)数小節にわたっての音変更も同様の手順です。まず、4小節すべてを選択ツールで囲んだ状態にします。
(5)この状態で「8」を押してみましょう。

案の定、全体が1オクターブ下がりました。

こちらは、上記(4)の状態から「9」を適用して1オクターブ上がった結果です。
ご覧のように、ステップツールや高速ステップツールに戻って処理するよりも手っ取り早く音高の変更を行うことができます。
音の修正だけでなく、例えば、1番クラリネットに書いた旋律の3度下の旋律を2番クラリネットに書きたい場合など、1番の旋律をそのまま2番の五線にコピーし、その小節を選択して「6」を2回押せば3度下の音を得ることができます。この間ほんの5秒くらいの作業時間です!
このテクニックが手に馴染んでくると楽譜編集のあらゆるところで応用でき、制作のスピートが格段に向上することでしょう。
※この機能では、和音の中の特定の単音だけを変更することはできせん。
※Finaleの場合、「6」〜「9」の数字キーに割り当てる移調設定をカスタマイズすることも可能です(【Windows】「Shift」+「Ctrl」+「数字キー」/【Mac】「shift」+「command」+「数字キー」)。
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《Finaleの基本操作を学べるリソース》
- 譜例で操作方法を検索(Finaleオンライン・ユーザーマニュアルより。Finaleで可能なこと、それを行うための操作法が一目で分かり、初心者の方には特にお勧めです。)
- クイック・レッスン・ムービー(Finaleの操作方法や便利な機能などを30〜60秒程度の短い映像でご紹介しています。)