第8回:本田 雅人さん

 

ビッグバンドなど大編成では、Finaleで作業効率は圧倒的に上がる

本田 雅人さん
本田雅人(ほんだ・まさと)プロフィール

producer / composer / playing : saxophone, flute, EWI, and so on

音楽教員の両親の影響で小3でサックスを始める。国立音楽大学時代、山野ビッグバンドジャズコンテストにて優勝し、最優秀ソリスト賞を受賞する一方、原信夫とシャープス&フラッツのリードアルトを務める。在学中からトップアーティストのレコーディングやツアーサポート等にも多数参加。’91年フュージョングループ「T-SQUARE」加入。フロントを飾ると共に、作曲、アレンジ面でも活躍。’98年退団後はソロアーティストとして活動。自己の「本田バンド」以外にも自身のビッグバンド「B.B.Station」や「Witness」「Four of a Kind」「Voice Of Elements」等のプロジェクト、佐山雅弘や鳥山雄司等とのデュオ、ワンマンライブ、そして吹奏楽団やビッグバンドとの共演などの演奏活動とともに、アレンジからプロデュースまで多岐に取り組んでいる。

ボブ・ジェームス、デヴィッド・サンボーン、マーカス・ミラー、リー・リトナー、ハーヴィー・メイソン、レイ・パーカーJr.など多数の大物アーティストとも共演。昭和音楽大学客員教授。

本田雅人 公式ウェブサイト


サックスとの出会い
幼少の頃から音楽に親しまれてきたのですか?

父と母が音楽教師だったということもあって、3歳位の頃からピアノを習っていたんですけど、正直あまり好きではなかったですね(笑)。それでも小学4年生まで続けてはいたので少しは弾けるようになったと思うのですが、野球とか遊ぶ方が好きで興味が薄れていってしまいましたね。友達とハーモニカやリコーダーを吹いて遊ぶことは好きでした。僕の生まれ育った高知の故郷はとても田舎で、小学校の生徒数もとても少ないし部活と呼べるような課外活動は無かったんです。小学3年生の時、父が楽器をかき集めてブラスバンドを立ち上げたんです。それで、フルートとかクラリネットも吹かせてもらったんですが、どちらもイマイチで(笑)、サックスに行き着いたって感じでした。なので、サックスは小学3年生くらいの頃から触り始めたということになります。

中高生時代はバリバリの吹奏楽少年だった?

中学校は割と都会エリアの中学校に通っていまして、1学年6クラスくらいはあって吹奏楽部もありました。最初はやりたくなかったんですが、たまたま同じクラスにトランペットの子がいて、成り行きで一緒に入ることになりました。そんな感じでサックスを続けていましたけど、やがて吹奏楽よりもギターを弾きながら歌うことの方が面白くなっていきましたね。

高校時代も一応吹奏楽部に入ったんですけど、当時「ポプコン」(ヤマハポピュラーソングコンテスト)というのがあって、それに出場することを目指してバンドでギターとボーカルをやっていました。サックスもちょっとは吹いてましたけど。吹奏楽部員としては不良部員でしたよね(笑)。

そこから、よくサックスの道に進もうと思われましたね(笑)

とにかく東京に出たかったんですよね。東京に長くいるためには、大学だなと(笑)。それで、急にまたサックスを練習しだしたんです。しかもクラシック音楽をきちんとやったことがなかったので、見よう見真似で練習して覚えて、まぐれで国立音大に受かったんです。東京に来ることさえできれば何でもいいやってことで(笑)。

まぐれではないと思います!(笑)サックスは先生について習っていたのですか?
本田雅人氏

高校3年生の1年間ですね、高知市まで週に1回のペースで通っていました。これはもう完全に受験対策です。クラシックのサックスなんて全然わからなかったですからね。

そして、教わったその先生が国立音大のご出身だったので、国立を受けるという流れになりました。

音大入学からプロ・デビューへ
国立音大では、やはりクラシック音楽を学ばれたのですよね?

はい、大学の授業はもう完全にクラシックですね。今ではジャズ科がありますけど、当時はなかったですからね。せっかく音大に入ったんで、4年間みっちりクラシックを勉強しました。

国立音大のビッグバンド・サークル「NEWTIDE JAZZ ORCHESTRA」創設期のメンバーだったとか。

大学1年生の時に、3年生の先輩からビッグバンドやろうって誘ってもらったのが始まりですね。大学の科目にはクラシックしかありませんでしたけど、1年生の時からジャズとかポップスの活動もできる機会に恵まれたのは幸運でした。

そして大学3年生の時には「原信夫とシャープス&フラッツ」に加入されたということですが、大学に入学してから凄く上達されたのでしょうか?

いや全然上達してないですね(笑)。極端に言うと、中学・高校ぐらいからそんなに変わってないと思っているんです。でもまあ、ちょっとずつ経験値が増えて少しは良くなっていたかもしれないですが(笑)。そんな急激に上手になったということはないと思うんです。NEWTIDEで「山野楽器ビッグバンド・ジャズ・コンテスト」に出演して、最優秀ソリスト賞をいただいたことから、たまたま巡り合わせでプロのビッグバンドからお誘いをいただきました。

大学と仕事の両立は大変だったのでは?
本田雅人氏

当時、日本でメジャーだった5つの楽団が「五大ビッグバンド」なんて呼ばれて、ビッグバンドの仕事は花形でした。その中の1つ「高橋達也と東京ユニオン」さんから声をかけていただいたんですけど、東京ユニオンは当時テレビの仕事などでとても忙しかったので「仕事を始めるならば学校は辞めざるをえない」と言われたのと、パートの指定がバリトン・サックスだったんですね。あと1年で卒業でしたから学校は辞めたくないし、バリトンは持ってないし...ということでお断りしたんです。

そして、そのちょっと後にシャープス&フラッツの原信夫さんからお電話を頂いたんです。原さんの方は割とフランクな感じで「ちょっと遊びに来てみないか?」みたいな感じで。それで、実際に行ってみたら六本木の超高級クラブで度肝を抜かれたりしたんですけどね(笑)。シャープス&フラッツは、基本的には自分たちの活動を優先していて、テレビの仕事でみっちり詰まっているという状態ではなくて割と柔軟だったので、学生のうちから参加させていただくことができました。

 

演奏技術の習得
アドリブとか、ジャズ的なテクニックはどうやって勉強したのですか?

ジャズ理論とか全然勉強したことないんですよ。子供の頃、テレビで流れてくる歌謡曲の間奏に出てくる楽器のソロが毎回違うのが「格好いいな」と思って聴いていまして。どうも小さい頃からメロディを崩したりするのが好きだったみたいで、幼稚園の時のハーモニカのテープが残っているんですが、それを聴くといわゆる変奏曲的にメロディを変えて吹いていて、そんな感じで自由に演奏するの好きな子だったみたいですね。

中学の時には吹奏楽部でポップスの曲をやることが多かったのでやっぱり自由に演奏していましたし、高校の時はちょうどフュージョンがブームになっていて、僕は渡辺香津美さんが大好きでソロの感じを真似たりしてギターを弾いていました。なので僕がやっていたのはジャズじゃないですよね。ポピュラー音楽ではあるんですけど。

小さい頃からの興味が、そのまま今の演奏にも生きてきているわけですね。

今でもそう思っていますけど、楽器は何でもよくて、自分の場合はサックスが吹き慣れているのでたまたまサックスでやっているという感じですかね。

 

作曲法の習得
本田雅人氏
作曲の勉強は?

作曲の勉強も全然したことないんですよね。中学・高校時代にバンドをやっていた時にオリジナルの作曲もやっていたんですけど、曲作りでは編曲の工程がすごく楽しかったんです。だからその頃はアレンジャーという職業に憧れていました。

いわゆるギター・バンドなんですけど、そこにホーン・セクションを入れたりとか柔軟にアレンジしてましたね。アレンジのノウハウもないので、すべて手探りしながらの実践ですね。そういう過程で色々と勉強になっていったとは思います。

実践でどんどん習得されていったんですね。

今だったら音大や専門学校にジャズ科やポピュラー科があって学べる場所がありますが、自分の場合はとにかく田舎で習えるような場所もないし、周りにそういうことに詳しい人もいなかったですしね。そもそも当時の自分に、誰かに習おうという発想すらなかったですよね。

セオリーの教本も、重厚なものしか無かったかも知れませんね。

渡辺貞夫さんの『ジャズ・スタディ』ってありますよね。あれ買いましたけど全然わからなかったですね(笑)。お守りみたいに一応持っていたって感じです。今読んだらちょっとわかるかもしれないですけど、当時は全然わからなかったですね。

今は、ジャズ理論を易しくわかりやすく教えてくれる本もありますし、動画もありますしね。

そうですね。YouTubeで検索すれば色々出てくるし、工夫されていてわかりやすいですよね。

 

Finaleとの出会い
Finaleを使い始めたのはいつ頃から?

2004年か2005年くらいですね。

それより以前は、手書きですね?

T-SQUAREの頃は、楽譜は全部手書きでした。SQUAREくらいの編成であれば手書きでも苦にならないですけど、ビッグバンドのサイズになるとFinaleの方が断然楽ですよね。

ビッグバンドも最初の頃はもちろん手書きでした。SQUAREを脱退してすぐにビッグバンドの「B.B.Station」のライブをやったんですが、その時は本当に大変でしたね。全曲のフルスコアを手で書いて、パート譜は写譜屋さんに出しました。ビッグバンドのアレンジはもう二度とやるもんかと思いましたね(笑)。

Finaleを使う以前に楽譜作成ソフトを使ったことは?

楽譜はずっと手で書いていたんですけど、楽譜ソフトの『Encore』が出た時にちょっと使ってみました。でも、コードネームを書けなかったので、プリントアウトしたものに手書きでコードを書き込んでいましたから、結局紙が増えてしまいましたね。

Finaleを使っている環境はMacですか?

Macです。今はMacBook Pro 15インチで使うことが多いです。自宅ではデスクトップで作業することもありますが、ファイルを共有したりするのもだんだん面倒に感じてきて、結局MacBookばかりになっています。ノートブックだと場所を選ばないし、スキマ時間に作業できたり手軽ですよね。

Finaleで作った楽譜はPDFにしてiPadで見ています。アプリは「forScore」です。周りも「forScore」を使っている人がとても多いですね。

 

ステージで使う楽譜づくり
楽譜はやはりデータで残しておきたいですよね。
本田雅人氏

今はなるべくペーパーレスで紙を増やさないようにしています。メンバーとのやりとりもほぼPDFです。今では、紙の状態で郵送されてくることがほとんどなくなりました。紙で受け取っても結局スキャンしてiPadに入れるので、データで送ってもらった方がありがたいです。

紙でもらうと家にどんどん楽譜が増えちゃうので大変です。もう使う機会も無いだろうと思っても、楽譜だから捨てると何かバチが当たりそうで中々捨てられないし(笑)。せめてスキャンしてから処分しようと思うんですけど、その作業もなかなか後回しになって溜まっちゃうんですけどね。

iPadで楽譜を閲覧する場合、ステージ上で不便や不安はないですか?

ダル・セーニョとか、前のページに戻る進行だと煩わしいですよね。だから自分で楽譜を作る時は、戻らなくて済むようにベタで作っちゃいます。ビューワーは「forScore」が優れているので助かっていますけど、もしあのアプリが本番中にフリーズしちゃったら、もう終わりますよね(笑)。そういう不安も無くはないですが、今のところ大きなトラブルなく運用できています。

書き込みの問題は?

それはまったく問題ないですね。むしろ、色も使えるし、書き込みのレイヤーが別になっているので一瞬で消せるし、同じ楽譜でもいくつかのバージョンで保存できるので、その辺は紙より優れていますよね。

ただ、ファイル管理をきちんとしておかなないと、どれが正解のバージョンだったかわからなくなっちゃったりして。整頓がすごく大事ですよね。

ステージ上で使うiPadは1台?

今は、12.9インチのiPad ProとiPad miniを並べて連動させて使うことが多いですかね。このスタイルに辿り着くまでには本当に色々試しました。12.9インチを2つ並べたこともありましたが、荷物が重くなり過ぎて長続きしませんでしたね。

GVIDO(グイド)も使わせてもらいました。あれは画面も大きいし本体が軽いのは良かったですが、動作がちょっと重いのとバックライトが点かないので暗いステージで見えにくかったりして使うのを止めちゃいましたね。次のページは予告さえ確認できればよいので、iPad miniで十分だという結論に達しました。

ビッグバンドのような大所帯でも電子楽譜を使いますか?

ビッグバンドこそ電子の方がいいですよね。全パート紙でプリントしたらすごい量になっちゃうし。他のメンバーも電子派がだんだん増えてきましたね。もちろん、やっぱり紙にしないと怖いっていう人もいますけど、今は人それぞれですね。もう数年もすれば電子派が主流になってくるのではないでしょうか。

 

音楽制作のフローとFinaleの役割
デモテープはどうやって作っているのですか?
本田雅人氏

パソコンが一般的になる以前は「QX」というYAMAHAのMIDIシーケンサーを使っていました。QXを使わせたらそりゃもう達人でしたよ(笑)。

SQUARE時代のほとんどの曲はQXで作っていたと思います。最後の方でちょっとパソコンも使い始めた頃という感じですかね。でもその後、パソコンに慣れてくると「QXは、なんて面倒くさいものだったんだろう」って思いましたよね(笑)。

今はシーケンス・ソフトのデジパフォ(Digital Performer)を使っていますが、Performerが発売された頃からずっと使っています。

レコーディングに使う楽譜は、数人編成であればリード・シート程度で済むものですか?

いや、僕はだいぶ書く方だと思います。メロディやコードはもちろん書いてありますが、ベース・ラインもほぼ全面的に書いています。一般的なリード・シートは一段譜ですが、僕の書く楽譜はベースも入った二段譜で、しかも結構みっちり書くので真っ黒です。皆んなに嫌われますけど(笑)。

自分にとってはベース・ラインはとても大事で、デモ音源を渡して「大体こんな感じで」と伝えるだけのことも無くはないですが、一応全部書いてますね。

制作フローについて、いくつか具体例をお伺いしたいと思います。T-SQUARE時代の代表作『Megalith』(1991年発表)は、今とはだいぶ違うフローで制作されたと思いますが

これはFinaleを使う以前の曲ですね。MIDIシーケンサーで作曲しています。確か「QX」か、同じような機能があったYAMAHAのシンセサイザー「SY77」だったかもしれません。まずそれでデモ音源を作り込みましたね。それから楽譜を手書きで用意して、デモ音源と一緒に渡すというのが当時のパターンでしたね。

『Captain Giovanni』(2008年発表)は海外でのタイトなスケジュールで制作されたものですが、アレンジは凝ったものですね

その頃はもうFinaleを使っていますね。デジパフォと、ProToolsの3つのソフトを使って曲作りをしていました。デジパフォでMIDIファイルを作って、それをProToolsに読み込ませて加工しながらデモ音源を作ります。そして、レコーディングの時には同じファイル内の別トラックに生録りのデータを重ねて、どんどん差し替えていくんですね。

最終的には全部が生になるという流れです。打ち込みの音源と生演奏のデータが並んで組み込まれている感じになりますが、このやり方だと当初のイメージと同じ軸で作業が進められるので、自分にとっては効率のいい方法ですね。

『Pinocchio』(2015年発表)などは、かなりしっかりした楽譜を用意されたと思いますが

曲作りの工程自体は『Captain Giovanni』とさほど変わりませんが、特にこの曲の場合は複雑な変拍子の中でSaxとギターの長いユニゾンなどがあって、楽譜通りに演奏しないと曲にならないので、楽譜が正確であることが重要でしたね。この曲もやはり真っ黒な譜面になって苦情の嵐でしたけど(笑)。

複雑な曲の場合、デモ音源や楽譜もより周到に用意されるのでしょうか?

まあ、いつも周到と言えば周到ですね。きちんと整った資料を事前に渡しておいた方が良い結果が出ることは明らかですし、バンドのメンバーもちゃんと予習してきてくれるんですよね。

資料はだいたい2週間くらい前には渡せるようにしています。もちろんレコーディングの現場で思いつくこともたくさんあるので、変えながら進むことも多いですね。

現場で変更された内容を、保存の目的で楽譜に改めて残すことはありますか?

それをやらなければいけないとわかっているんですけど、なかなか忘れちゃうんですよね(笑)。だから次にやる時に同じ箇所を修正したりしていて効率悪いですよね。

曲作りでは、どのタイミングでFinaleを使い始めるのですか?
本田雅人氏

僕は、曲を作るときにはなるべく楽器を使わないで頭の中だけでイメージすることが多いのですが、普段から何となく浮かんだフレーズや断片をまずメモ書きのように紙に書いて残しておくんですよね。

他人が見たら何が書いてあるか判らないようなメモですけど、バンバン書いて放っておくんです。それで、新曲を作る時にそのメモを出してきて「これは使えそうかな」と思ったらデジパフォに打ち込んで組み上げていくんですね。

Finaleの出番は最終的に曲のイメージが固まってからです。レコーディングのメンバーに渡すために楽譜を作ります。少人数のバンドならばこのやり方でいいのですが、ビッグバンドみたいに大きな編成の時には、初めからFinaleで書いていくこともありますね。

ビッグバンドの曲作りについて

ビッグバンドについては、オリジナルからビッグバンドの編成という曲はあまりなくて、元々小さい編成用に作った曲をビッグバンドにアレンジするケースが多いですね。アレンジの内容は、ビッグバンドらしいサウンドやリズムを活かして大幅にリニューアルする場合もあるし、敢えて原曲のイメージを崩さないで大人数のホーン・セクションが追加されたような形にする場合もあります。

いずれにしても、実際に音符として書くものが増えるので、作業はかなり大掛かりになってきますよね。コンボであればメロディとベースラインにコードを書くくらいで済んでしまうようなものが、極端に言うと全編に渡ってハーモニーを書いていくような作業をやらないといけないわけです。

その作業が手書きでは本当に大変でしたけど、Finaleに慣れてきてからは随分と楽になって作業の効率は圧倒的に良くなりましたね。ビッグバンドとか吹奏楽とか、編成の大きな場合にはすごく助かります。

『Megalith』のビッグバンド版も聴かせていただきましたが、ゴージャス感が違いますよね。

これはよく言っていることなのですが、ビッグバンドはあれだけの人数のプレイヤーの一人一人が魂の込もった“音”を鳴らしていて、その一音一音が合わさって一つの音楽になっているわけですから、例えば一人でシンセを弾いて同じコードを出すのと、複数のメンバーで作るハーモニーとでは意味合いがだいぶ違いますよね。

そういうところがやっぱりビッグバンドならではの魅力につながっているんじゃないでしょうかね。それだけでも値打ちがあると思います。

ビッグバンドという演奏形態にはこだわりがあるのでしょうか?

自分にとっては、たまたま小さい頃からビッグバンドに関わりがあったというだけで、ビッグバンドに対して特段に強い思い入れがあるわけでもないんですけど、“気が付けばビッグバンドがそばにある”みたいなことがなぜか多いんですよね。「B.B.Station」も一回限りと思ってスタートしましたが、今でも相変わらず続けていますから、切っても切れない関係なんでしょうかね(笑)。

管楽器奏者にとってビッグバンド特有のあのサウンドって、どこか惹かれる部分があると思うんですよね。なんか気になっちゃうというか(笑)。その気持ちはずっと変わらないでしょうし、今ではFinaleのおかげでアレンジ作業もかなり楽になりましたから、機会がある限りビッグバンドとは付き合っていきたいですね。

 

Finaleへの期待
Finaleを使って感じること

Finaleに限った話ではないですが、楽譜ソフトは変拍子を書くのがちょっと大変ですよね。例えば、7/8拍子で「3/8+4/8」と「4/8+3/8」が交互に出てくるような場合、連桁を繋ぐグループを設定するのがややこしいですよね。これはもっと楽にできるようになるといいなと。

それから、先ほども話が出ましたけど、レコーディングやリハーサルの現場ではその場でアレンジに手を加えることも多々あるわけで、タブレットの画面上でもリアルタイムで修正できたらいいなと思いますよね。以前、iPadのFinaleビューアーアプリがありましたが、あれが編集機能も備えて復活して欲しいですね。

タブレットで楽譜を見ることがもはや珍しい光景ではなくなった今、その方面での進化に期待したいですね。
本田雅人氏

僕がFinaleを使い始めた頃のバージョンと比べると、結構色々と進化しましたよね。もうだいぶ前の話ですが、スコアマネージャーができたのは革新的でしたね。作業がすごく楽になりました。五線を組み替えるのも簡単ですしあれは重宝しています。

もはや楽譜作成の性能としては行き着くところまで来ているのではと思うし、現状の操作に慣れているので、ユーザーとしてはメニューの大幅な仕様変更はしないでほしいというのも本音ですかね。

僕自身、楽譜は紙からタブレットに完全に切り替わりました。利用しているビューワー「forScore」も優れたアプリですが、タブレットでFinaleを直接操作できるようになったら、現場での効率がさらに向上すると思うので、ぜひ実現してもらいたいところです。

 

(インタビュー:関口彰広 写真:平林亜美 企画:MI7)

 

《編集後記》
今回は世界で活躍するトップ演奏家の音楽制作フローを、楽譜づくりを中心にクローズアップしてみました。限られた制作期間内でベストな結果を残すプロの技は大変興味深く、学びつつ楽しみながら書かせて頂きました。
もし宜しければ、本記事に関する皆様のご意見・ご感想をお寄せ下さい。

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関連記事リンク集

 

《プロのFinale活用事例:アーティスト別》

  • 都倉 俊一氏:作曲家/編曲家/プロデューサー “現場ではすぐにスコアを書き換えなくてはいけないことがある。するとパート譜の修正もたくさん必要になりますよね。その作業が、Finaleのおかげでとっても楽になったことが印象的でした”
  • 外山 和彦氏:作編曲家 “手書き時代はスコアを切り貼りしたり苦労をしたものですが、Finaleを使うことで圧倒的に便利になりましたね。仕事場にはもう五線紙がありませんよ”
  • 吉松 隆氏:作曲家 “我々プロの作曲家にとっては、こと細かい調整ができるという面で、やっぱりFinaleなんですよね。Finaleは、車に例えるとマニュアル車みたいなものなんです”
  • 佐久間 あすか氏:ピアニスト/作曲家/音楽教育家 “Finaleは楽譜のルールを学習するためのツールにもなっているんだなと思います。楽譜が分かるようになれば、読む時の意識も変わります”
  • 栗山 和樹氏:作編曲家/国立音楽大学教授 “Finaleを使えば「バージョン2」を簡単に作れることは大きなメリットですね。特に作曲面でトライ&エラーを繰り返すような実験授業では、Finaleでデータ化されている素材は必須です”
  • 櫻井 哲夫氏:ベーシスト/作曲家/プロデューサー/音楽教育家 “Finaleの普及で、演奏現場では以前は当然だった殴り書きのような譜面はほとんど見られなくなり、「これ何の音?」などと余計な時間も取られず、譜面に対するストレスがかなり減りました”
  • 紗理氏:ジャズ・シンガー “ヴォーカルだと特に、同じ曲でもその日の気分やライブの演出によって、キーを変えたい時がよくあるんです。そんな時でもクリックひとつで移調できるわけですから、これはものすごく便利です”
  • 赤塚 謙一氏:ジャズ・トランペット奏者/作編曲家 “作る人によってレイアウト、線の太さ、フォントの選び方など好みがあり、手書きのように作った人の「らしさ」が表れます。この辺がFinaleに残されたアナログな良さかも知れません”
  • 本田 雅人氏:プロデューサー/作曲家/サックス奏者 “手書きでは本当に大変でしたけど、Finaleに慣れてきてからは随分と楽になって作業の効率は圧倒的に良くなりましたね。ビッグバンドとか吹奏楽とか、編成の大きな場合にはすごく助かります”

《プロのFinale活用事例:テーマ別》

《楽譜作成ソフトウェアの導入メリットを考える》

《Finaleの基本操作を学べるリソース》

  • 譜例で操作方法を検索:Finaleオンライン・ユーザーマニュアルより。Finaleで可能なこと、それを行うための操作法が一目で分かり、初心者の方には特にお勧めです。
  • クイック・レッスン・ムービー:Finaleの操作方法や便利な機能などを30〜60秒程度の短い映像でご紹介しています。

 

News letter from finale

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