第6回:紗理さん

 

楽譜がきれいだと、もっと楽しい音楽がやれる

紗理(さり)
紗理(さり)プロフィール

5歳よりダイアナ石山Song & Danceミュージカル教室でダンスおよびミュージカルを学ぶ。洗足学園音楽大学ジャズ・ヴォーカル科でDana Hanchard氏に師事、同大学を首席で卒業。2008年に渡米しBerklee College of MusicでGabrielle Goodman氏に師事。現在、日本を拠点にジャズ・シンガーとしてソロ活動の傍ら、紗理(vo)、優日(vo)の2人から成るジャズ・コーラス・ユニット“Chai-Chii Sisters(チャイチーシスターズ)”としてもライブ、ラジオ、TV出演など幅広く活動中。カンヌ国際映画際出展作品『ヤーチャイカ』の主題歌担当、ディズニーオンアイス2011で「アラジン」 ジャスミン役、「美女と野獣」ベル役の日本語吹き替えヴォーカルを担当。ほか、CMソングやCMナレーションなどでも活躍。第30回浅草JAZZコンテストにて銀賞受賞。Thelonious Monk institute of Jazzがサポートするヴォーカル・コンペティション "Osaka Asian Dreams Jazz Competition 2013" でグランプリを受賞。2013年10月にデビュー・アルバム『The Sweetest Sounds』をリリースし各誌で絶賛される。ジャズ・サックス奏者中村誠一(t.sax)の娘でもあり、興隆するジャパニーズ・ジャズ・ヴォーカル・シーンにおいて最も注目されるシンガーの一人である。
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Finaleとの出会いは?
紗理さん

私は2008年にボストンのバークリー音楽大学に留学したのですが、入学する時に学校で指定されたパソコンのセットを購入するんですね。色々な音楽ソフトがインストールされているのですが、その中のひとつがFinaleで、それがFinaleとの出会いということになりますね。バークリーがFinaleを採用していたおかげで私もFinaleを使うことになりました。

バークリーでは、Finaleの操作を学ぶ授業があったのですか?

私は選択しなかったのですが、そういった授業はありましたね。作曲を専攻する学生はその授業で本格的にFinaleの使い方をマスターするのだと思います。私はヴォーカルが専攻でしたので、そこまできちんとFinaleの勉強をしたわけではないのですが、学校での課題などFinaleで楽譜を作って提出したりしてましたね。

学校ではひたすらジャズ・ヴォーカルを勉強されたのですか?

バークリーでは、音楽のジャンルでコースを分けたりとかいうことが無いんですよ。「ヴォーカル」という大きな括りだけがあって、R&B、ジャズ、クラシックの授業など自由に選択することができました。ジャズだけじゃなくて、音楽なら何でも大好きです。

紗理さんはご自身でアレンジもされていますが、ヴォーカリストでアレンジまでこなす方は珍しいですよね? 紗理さん

そうかもしれませんね。ただ、アレンジといってもバンドの音の全てを譜面に書き起こすようなアレンジではなくて、基本となるリードシートに、イントロ、アウトロ、ソリなどを足したり、コードやフィールを原曲とは変えてみたり、ブレイク、フィルなどの位置を指定したりしながら、曲の構成をきっちり見渡せるようなアレンジ譜を作っています。

音楽の設計図みたいですね。

まさにそうですね。アレンジされた楽譜ではあるのだけど、パートナーに自由に演奏していただけるように最低限の決め事だけわかりやすく書いています。クラシックの場合は曲の全ての要素を固定するための方法として楽譜がありますが、ジャズの場合はその設計図を見た人が肉付けをして初めて完成するものですよね。

リードシートは手書きで簡単に作ってしまうケースが多い中、敢えてコンピューターで作られているのは?

確かにFinaleに出会う以前は私も手書きでしたね。でもヴォーカルだと特に、同じ曲でもその日の気分やライブの演出によって、キーを変えたい時がよくあるんです。そんな時でもクリックひとつで移調できるわけですから、これはものすごく便利です。管楽器の共演者に楽譜を渡す時にも便利ですよね。あと、手書きだと見難い場合もあるし、保存性にも優れててパソコン1つ持っていれば旅先でもすっと出てくる。メンバーに楽譜をデータで送るのも簡単です。

楽譜作りで工夫しているところは? 紗理さん作成の楽譜

リハーサルで私が作った楽譜を持っていくと楽譜に関してはすごく褒められるんです(笑)。「こんなにちゃんとしてる楽譜は初めてだ」って喜ばれますよ。私は、とにかく誰が見ても一目でわかりやすいような譜面にしたいと思っています。あとはタイトルのフォントで遊んだりしてますね。フォント一つで雰囲気がガラッと変わりますし、何より私の楽譜だってすぐわかってもらえるんです。

Finaleを使っていて、こうなっていたらいいのにな、と思うことは? 紗理さんライブ

Finaleはもともとクラシック向けのソフトだと思うのですが、ジャズでよく使うコードの表記のバリエーションを豊富にしてほしいなと思います。自分で設計できるのかも知れませんが、あらかじめ入っていると嬉しいです。そういうものを必要としている人は多いのではないですかね?それから、文字のサイズとかフォントの変更をもっと直感的にできるといいですし、セーニョなどの進行記号や特定のメロディーにだけ色をつけて目立たせるようにできるとか、あるといいですね。

プレイバック機能についてはいかがですか?

プレイバックの機能は、正直なところ、あまり活用できてないですね…。たまに、とても難しいフレーズを入力して、プレイバックさせて耳で覚えたりするのに使うこともあります。Finaleのプレイバック機能も実はすごいことはわかっているのに活用できていないので、これから勉強していきたいと思っています(笑)

Finaleを使うようになって変わったことは? 作業中の紗理さん

そうですね、メンバーから「楽譜がこれだけちゃんとしてると、間違えられない、言い訳がきかない」って冗談でよく言われるのですけど、でも本当にその通りで、見にくい楽譜だと演奏している最中に「んっ?」って詰まって演奏に集中できなくなりますよね。楽譜がきれいだと凡ミスがなくなって、もっと高いレベルで楽しい音楽がやれるようになる。初めてセッションをするパートナーにもできるだけ気を楽にして演奏してもらいたいし、そのうえで自由に大きいインプロビゼーションをやってもらいたい。楽譜がちゃんとしていることでもっと楽しくなるんだったら私が用意すればいいやって思って、頑張って作ってます(笑)

タブレット端末などの登場で楽譜の利用方法が変化しつつありますが…

私は今のところタブレットは利用してないですね。頼りすぎちゃうようになるのがまず嫌というか…。音楽もダウンロードで簡単に入手するのではなくて、できるだけCDで買いたいと思っています。ジャケットのデザインを楽しんだりライナーを読むことでそのアーティストの世界が広がっていきますよね。どんなに世の中が便利になってもそういう感覚は忘れたくないですよね。演奏で使う楽譜もリハーサルを通していろいろ書き込みが入ったりして、そうやって作り上がって行く過程が楽しいんです。人によっては自分にしかわからない暗号みたいな書き込みなんかもあったりして、紙の楽譜は個性とか味わいがにじみ出てきますよね。

最後に、Finaleユーザーの皆様にメッセージを

私が普段使う音楽ソフトといったらまず真っ先にFinaleです。パソコンは得意な方ではないので判っていないところも多いかもしれませんが、もっと使いこなせるように頑張りたいです!女性のジャズ・ヴォーカルというと、コテコテのコスチュームを着て、長い手袋はめて、髪型も盛り盛り(笑)っていうイメージがあるかもしれませんが、私はライブでは若い女の子が見ても可愛いなって思っていただけるような衣装や演出にしたり、親しみやすいアレンジに日本語の歌詞をつけてジャズを歌ったりしています。幅広い世代の方にジャズに興味をもっていただけるようになったらいいなと思っています。

紗理デビュー・アルバム『The Sweetest Sounds』

1. So This is Love
2. If I were a Bell
3. Alice in Wonderland
4. It's Delovely
5. Tea For Two
6. The Sweetest Sounds
7. I'll Follow The Sun
8. I've Got a Crush on You
9. All or Nothing at All
10. How Deep is Your Love

【メンバー】
紗理 (Vocal)
瀬田創太 (piano,melodica/rhodse)
小美濃悠太 (bass)
山内陽一朗 (ds)
橋本歩 (cello)
中村誠一 (tenor sax,alt sax,bass clarinet)

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《プロのFinale活用事例:アーティスト別》

  • 外山和彦氏:作編曲家 “手書き時代はスコアを切り貼りしたり苦労をしたものですが、Finaleを使うことで圧倒的に便利になりましたね。仕事場にはもう五線紙がありませんよ”
  • 吉松 隆氏:作曲家 “我々プロの作曲家にとっては、こと細かい調整ができるという面で、やっぱりFinaleなんですよね。Finaleは、車に例えるとマニュアル車みたいなものなんです”
  • 松本 あすか氏:ピアニスト/作曲家/音楽教育家 “Finaleは楽譜のルールを学習するためのツールにもなっているんだなと思います。楽譜が分かるようになれば、読む時の意識も変わります”
  • 栗山 和樹氏:作編曲家/国立音楽大学教授 “Finaleを使えば「バージョン2」を簡単に作れることは大きなメリットですね。特に作曲面でトライ&エラーを繰り返すような実験授業では、Finaleでデータ化されている素材は必須です”
  • 櫻井 哲夫氏:ベーシスト/作曲家/プロデューサー/音楽教育家 “Finaleの普及で、演奏現場では以前は当然だった殴り書きのような譜面はほとんど見られなくなり、「これ何の音?」などと余計な時間も取られず、譜面に対するストレスがかなり減りました”
  • 紗理氏:ジャズ・シンガー “ヴォーカルだと特に、同じ曲でもその日の気分やライブの演出によって、キーを変えたい時がよくあるんです。そんな時でもクリックひとつで移調できるわけですから、これはものすごく便利です”
  • 赤塚 謙一氏:ジャズ・トランペット奏者、作編曲家 “作る人によってレイアウト、線の太さ、フォントの選び方など好みがあり、手書きのように作った人の「らしさ」が表れます。この辺がFinaleに残されたアナログな良さかも知れません”

《プロのFinale活用事例:テーマ別》

《楽譜作成ソフトウェアの導入メリットを考える》

《Finaleの基本操作を学べるリソース》

  • 譜例で操作方法を検索:Finaleオンライン・ユーザーマニュアルより。Finaleで可能なこと、それを行うための操作法が一目で分かり、初心者の方には特にお勧めです。
  • クイック・レッスン・ムービー:Finaleの操作方法や便利な機能などを30〜60秒程度の短い映像でご紹介しています。

 

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