第3回:松本 あすかさん

 

自分で楽譜を作ることで、演奏の意識も変わりました。

松本 あすか
松本 あすか(まつもと・あすか)プロフィール

3歳よりピアノを始める。プレミオモーツァルト国際コンクール最年少第3位及びプレミオモーツァルト賞など、幼少より国内外の賞を受賞し、ヨーロッパを中心に演奏旅行を行う。18歳の時、より広く音楽を勉強するためクラシックから離れ、様々なジャンルのアーティストのサポートや作詞作曲活動を行う。23歳の時、自分なりのクラシック音楽への関わり方に確信を持った上で、再度クラシックピアノに戻り、ピティナグランミューズA1カテゴリーにて第1位を受賞。クラシック音楽にグルーヴを吹き込むその演奏スタイルは、クラシックの枠組みに収まることなく、ジャンルを飛び越え、聴くものに新たな感動と感覚を呼び起こさせるピアニストである。
これまでに、CD『PIANO ESPRESSIVO』『PIANO ESPRESSIVO II』(キングレコード)、および2冊の楽譜集(プリズム、ヤマハミュージックメディア)をリリース。TV出演や雑誌などメディアでの活躍も多数。
松本 あすか公式ホームページ


Finaleとの出会いは?

最初に使ったのはAllegro 2005だったと思います。私は3歳の頃からずっとクラシック畑にいたんですが、18歳の頃に一旦クラシックと距離をおいてジャズやポップスなど色んな音楽の世界に飛び込んでいったんです。2005年というと、そのような経験を経てもう一度クラシックに戻ってきた時期なんですね。色々なジャンルの曲を編曲したり、オリジナルの曲を作って「作品を残そう」という意識が芽生えた頃だと思います。5年くらいクラシックや楽譜から離れていたからこそ、戻ってきた時に楽譜そのものへの興味とか、楽譜に音楽を固定することの意味とかを見つめ直すことができました。そんな頃にAllegro 2005を手に入れて、Finaleはバージョン2008からです。なのでFinaleはまだ初心者なんですよ(笑)

松本さんはピアニストとして「演奏」がメインの活動かと思いますが、Finaleをどのように使われているのですか? 松本 あすか

確かに、演奏することが私のメインのお仕事ではあるのですが、私は「弾く」「教える」「作る」、この3つをテーマに活動しているんです。そしてこれらの3本柱がそれぞれの活動を支えあっていて、どれにもFinale が関わっています。まず、「弾く」ということについて、自分が弾くための曲は頭の中にあるのでわざわざ楽譜に書かなくてもいいはずですが、これをきちんと楽譜に落としてみると新しい発見が次々と出てくるんです。こういった経験は、演奏そのものにもすごくプラスになっています。「教える」の面では、ピアノのレッスン以外にも全国の子供達に音楽の楽しさを伝える活動をしているのですが、そこで使う資料もFinaleで作っています。「作る」の面では、アレンジやオリジナルの曲を「作品」として残すために楽譜を作ります。それから、今私は相川七瀬さんのバンドメンバーでもありまして、ライブで使うアレンジやリードシート作りもFinaleです。

ライブやスタジオで使うリードシートなどは手書きの方が好まれるイメージがありますが… 松本 あすか

そんなこともないですよ。メンバーからも好評です。リハーサルで変更があればすぐに修正できますし、最終的なデータをずっと保存しておけるというのは大きなメリットです。ライブや収録ではキーや曲の尺を変えて演奏することもしばしばなので、そんな時にはFinaleのありがたさを実感しますね。Finaleを使えると現場で色々と重宝がられます。「今回やる曲だけじゃなく、今までのリリース曲全てをFinale化して欲しい!」なんて注文を頂くこともあり、最近まさにその作業中です(笑)

手書きで楽譜を書くことはないのですか? 松本 あすか

そうですね、今ではほとんどFinaleに依存してますね。手書きではちょこっとアイデアのメモをするくらいです。私の周りの方々もそうですが、パソコンで楽譜を書くのはすっかりあたり前の時代になっちゃってます。

Finaleの使いづらい点などはありますか?

うーん、私の場合は浄書屋さんではないので楽譜を緻密に作り込むほどではなく、大した不便はないのですが、強いて挙げるとすれば楽譜内に入力したアイテムのサイズを変更したいときにそれぞれのツールに切り替えなければならないので混乱することがあります。それから、レイアウトを調整するときに思うようにいかないことがありますが、これは自分が操作に慣れていないだけかもしれません。

確かにレイアウト調整については、仕組みを理解するのに慣れが必要かもしれませんね… では、Finaleにこんな機能があったら、というリクエストはありますか?

そうですね、ピアノロール表示があったらといいと思います。例えばリアルタイム入力で一気に音を入力して、拍に上手くはまらなかった箇所を修正する時などはピアノロールの方がやりやすそうです。それからバンド譜などでは各楽器の構成がグラフィカルに見てとれるので、直感的に編集したい場合にはピアノロールの方がいいなと思います。

Finaleを使うようになって変わったことは? 松本 あすか

これは私の生徒さんの話なのですが、楽譜の知識があまりなくて、でも感性のみで曲を作ってしまうようなタイプの人がいるんです。その人が楽譜作成ソフトを使うようになったら、楽譜の書き方のルールをどんどん学んでいきました。ですから、Finaleは楽譜のルールを学習するためのツールにもなっているんだなと思います。楽譜が分かるようになれば、読む時の意識も変わります。私もFinaleを使うようになってから、作曲家が五線に筆を下ろした時の追体験ができるというか、「どうしてこの音を選んだのだろう」「どうしてこの記号をここに書いたんだろう」って考えられるようになりました。そこまで考えが及ぶようになって、改めて作曲家の偉大さにも気づきましたし、そのおかげで、演奏の深みというか、質も変わったと思います。

最後に、Finaleユーザーの皆様にひとことお願いします

私は10代の終わり頃、イラストを描いて路上で売るようなこともしていました。アマチュアとしての活動でしたが、音楽であれアートであれ、何かを表現したい、そして誰かに見てもらいたい、そういう活動をしているってことを知ってもらいたい、という欲求があったのだと思います。きっとこういう欲求は誰もが持っているもので、今ではブログだとか動画投稿サイトだとか、自分の表現や想いを気軽に公表できるチャンスがたくさんあります。音楽業界に明るいニュースが少ないこのご時世、音楽の未来は、私はアマチュア音楽家の方々が鍵を握っていると思っています。ぜひ、Finaleを使って、自分だけの作品をじゃんじゃん世の中に発表していって欲しいです!

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《プロのFinale活用事例:アーティスト別》

  • 外山和彦氏:作編曲家 “手書き時代はスコアを切り貼りしたり苦労をしたものですが、Finaleを使うことで圧倒的に便利になりましたね。仕事場にはもう五線紙がありませんよ”
  • 吉松 隆氏:作曲家 “我々プロの作曲家にとっては、こと細かい調整ができるという面で、やっぱりFinaleなんですよね。Finaleは、車に例えるとマニュアル車みたいなものなんです”
  • 松本 あすか氏:ピアニスト/作曲家/音楽教育家 “Finaleは楽譜のルールを学習するためのツールにもなっているんだなと思います。楽譜が分かるようになれば、読む時の意識も変わります”
  • 栗山 和樹氏:作編曲家/国立音楽大学教授 “Finaleを使えば「バージョン2」を簡単に作れることは大きなメリットですね。特に作曲面でトライ&エラーを繰り返すような実験授業では、Finaleでデータ化されている素材は必須です”
  • 櫻井 哲夫氏:ベーシスト/作曲家/プロデューサー/音楽教育家 “Finaleの普及で、演奏現場では以前は当然だった殴り書きのような譜面はほとんど見られなくなり、「これ何の音?」などと余計な時間も取られず、譜面に対するストレスがかなり減りました”
  • 紗理氏:ジャズ・シンガー “ヴォーカルだと特に、同じ曲でもその日の気分やライブの演出によって、キーを変えたい時がよくあるんです。そんな時でもクリックひとつで移調できるわけですから、これはものすごく便利です”
  • 赤塚 謙一氏:ジャズ・トランペット奏者、作編曲家 “作る人によってレイアウト、線の太さ、フォントの選び方など好みがあり、手書きのように作った人の「らしさ」が表れます。この辺がFinaleに残されたアナログな良さかも知れません”

《プロのFinale活用事例:テーマ別》

《楽譜作成ソフトウェアの導入メリットを考える》

《Finaleの基本操作を学べるリソース》

  • 譜例で操作方法を検索:Finaleオンライン・ユーザーマニュアルより。Finaleで可能なこと、それを行うための操作法が一目で分かり、初心者の方には特にお勧めです。
  • クイック・レッスン・ムービー:Finaleの操作方法や便利な機能などを30〜60秒程度の短い映像でご紹介しています。

 

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