Finale 2014がやってくる!〈前編〉

Finaleが誕生してから25周年を迎える2014年。この記念すべき年にふさわしくFinaleは大きな進化を遂げました。
デザインの刷新、ファイル形式の変更、Mac版におけるフレームワークの載せ換えといった大きな進化とともに、数々の新機能を追加。
これらの機能向上は作業上のストレスを軽減し、創作への集中を高めることに繋がっています。
以下に、具体的な変更事項や新機能について紹介して参りましょう。

※使用している画像はただいま開発中の日本語版を用いています(2013年11月現在)。完成版では変更となる可能性があることをご了承ください。

(1)デザインを一新。洗練された外観、アイコン、パレット、ミキサー
Finale 2014を起動するとまず目に付くのがこれまでのFinaleとはがらっと変わったイメージ。
作業に集中するのに最も効果がある色と言われるブルーを基調に、虚飾を廃してスマートかつ格調高い雰囲気が漂います。
Finale 2014の起動画面とアイコン
Finale 2014の起動画面とアイコン

ツール・パレットのデザインも一新
ツール・パレット内のデザイン
ミキサーのデザインも近未来的なものに
ミキサーのデザイン

(2)新しいファイル形式「.musx」
Finale 2014では、これまで20年以上用いられてきたFinale独自のファイル形式「.mus」を発展させた「.musx」形式を採用します。
これにより旧バージョンのFinaleとの互換性(後述)を保てるようになったばかりでなく、将来的に更なる柔軟性を持たせることが可能になりました。
新しいファイル形式「.musx」

(3)2012で開ける形式のファイルに書き出し可能
Finaleユーザーが長い間待ち望んでいた下位保存機能がいよいよ搭載されました。 Finale 2014で作成したファイルは、Finale 2012形式でエクスポート(書き出し)出来るようになります。書き出し実験を行なったところ、再現性も良好です(2014特有の自動処理情報については欠落してしまう場合もあります)。
なお、細かい点ですが「スタンダードMIDIファイル」への書き出し機能も「エクスポート」メニュー内に統合されました。

(4)無調の音楽や、調号を用いない表記設定が簡単に
楽曲の調性を決める際に長調か短調かを選ぶ必要がありますが、Finale 2014では新しく「無調」も選べるようになりました。

無調の音楽や調号を用いない表記設定

また、調性がはっきりしていても調号を用いずに臨時記号のみで表現したい場合、これまではいくつかの設定を組み合わせる必要がありましたが、Finale 2014ではたった一ヶ所のチェックを入れるだけでこの設定が可能になりました。



調号ツール内に新たに加わった「調号を使わず臨時記号表記にする」にチェックを入れるだけで…



このように、調号を使わずに臨時記号による表記が可能となりました。

(5)多声部での臨時記号の処理をスマートに
下の楽譜をご覧ください。4拍目の裏の下声部の音は何の音でしょう?



ピアノなどの一人で演奏する楽器の楽譜であれば「C♯」とも捉えられますが、2重奏の楽譜などの場合はこの音には♯記号を付加するのが一般的です。
これまでは、こういった場合には「臨時記号の強制表示」機能を用いて♯記号を表示させていました。

Finale 2014では「五線の属性」パネルの中に新たに「小節内の異なるレイヤーの臨時記号を再表記」というメニューが追加されました。


これを適用させると、臨時記号の要・不要をFinaleが判断し、適切な箇所に自動的に臨時記号が表示されます。



(6)多声部での休符の処理をスマートに
下の楽譜をご覧ください。ドラムの楽譜です。レイヤー1、レイヤー2にそれぞれ休符が表示されています。



もちろんこのような表記でも問題ないのですが、場合によっては共通している休符をひとまとめにしてスッキリさせたい場合があります。 これまでは、休符を一つ一つデフォルトの位置に戻す必要がありました。


Finale 2014では「ファイル別オプション」の中に新たに「異なるレイヤーの同じ休符をまとめる」というメニューが追加されました。



これを適用させると、複数の声部間で共有可能な休符をFinaleが判断し、自動的に1つにまとめて表示してくれます。