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「知る」— 《拝見!あなたのFinale活動》


Vol.2~間中 宏昭さん

現代音楽の作曲家として第二の人生を謳歌されていらっしゃる間中宏昭さんにお話を伺いました。
間中さんは宣伝畑でサラリーマン人生を全うし、定年後より本格的に作曲に取り組まれているとのこと。そして2013年にアメリカのレコード会社が主催した作曲コンペティションで入賞し、CDデビューを果たされました。


■簡単なご経歴をご紹介ください

1943年西宮生まれ。1966年早稲田大学第一法学部、1969年米国イリノイ大学コミュニケーション学部大学院卒業。マツダ宣伝部を皮切りに広告プランナーとしてマッキャンエリクソン博報堂など宣伝畑を歩く。現在は自由人。

■いつ頃からFinaleを使われているのですか?

2006年ころからだと思います。

■あなたの《Finale活動》をご紹介ください

米国のクラシック・インディーズレーベルAblaze Recordsは、2013年に発売の新譜『Orchestral Masters vol.1』用の作曲コンペを実施。60以上の応募作から私の作品『Thought of the Great Plains(8:27)』を含む8曲が入賞。それらはチェコのブルノ・フィルハーモニック・オーケストラの演奏(指揮はイギリスのミケル・トムス)で録音。N.Y.での編集作業を経て2013年11月アマゾン、iTunesなどで世界一斉リリースされました。

私の作曲の進め方について、基本的にはピアノ音源でリアルタイム録音を繰り返し、曲(フレーズ)作りをして行き、ある程度それが溜まってきたら、それらのフレーズ素材で何かオーケストラ(あるいはソロ)の曲つくりが出来ないか?考えます。ピアノ譜をストリングスのパートにしたりして音楽性をチェックしながら、さらにそれをシークエンスに発展させる…というしんきくさいパッチワークを続ける…というのが私のやり方です。
Finaleはもともと楽譜作りのためのソフトですが、私の場合同時録音をしながらプレイバック機能を利用し、音色選びをし、曲作りをする…ためのソフトだと思っています。

■《Finale活動》でご苦労されていることはありますか?

Finaleの進化スピードについて行くことが難しいと感じるようになってきました。2011から2012/2014へのバージョンアップは自分には変化が大きく感じられました。ちょうど作曲中でしたのでその時は2011で作業を続行してしまいました。
また、今回経験した「修羅場」は入賞してからが大変な録音用のパート譜作りでした。提出したスコアはMOLA(Major Orchestra Librarians' Association)ガイドラインに適合していな いと演奏してもらえないとかで、細かい改訂に次ぐ改訂を要求してきます。毎晩遅くにこれでもかと届くメール。先方もチェコのオケをブッキングしてあるので、だんだん必死になるのがこちらにも伝わってきます。一時はリタイアも考えたりしましたが、こうした急場を救ってくれたのがMOLA順守がもともとの基本体質であるFinaleの使いやすさと、アドバイスと励ましをいただいた八王子音楽院の永野先生でした。ずいぶん勉強させていただきました。

■《Finale活動》、今後の展開はどのようにお考えですか?

2014年は何もなしのまま終わってしまいそうですが、来年からはまた海外のコンペにエントリーしたいと考えています(のんびりしていたら老いが急に迫ってきたのでどこまでやれるか不安も募ってきましたが)。地味な作業ですが、世界のどこかに自分の拙い音楽を評価してくれる第三者がいるのをこうして知るのは楽しいものです。

■Finaleで気に入っている点はどこですか?

  • 音源(Garritan)のクオリティの素晴らしさ
  • MOLAに対応している点など徹底したプロフェッショナリズム、素晴らしいです

■他のFinaleユーザーの皆様に何かメッセージがあればお願いします

Finaleはもっぱら「楽譜制作のためのソフト」と言われますが、わたしには貴重な「作曲用ソフト」です。もしまだでしたら、ぜひFinaleが持つこの“もう一つのすばらしいポテンシャル”を活用されることをお勧めします。

■紹介したいホームページ、イベントの案内などあれば教えてください

▼The Composer's Site(このサイトで開催中の作曲コンペを探しています)
http://www.composerssite.com

▼Ablaze Recordsのホームページ
http://www.ablazerecords.net/Orchestral_vol1.html


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Vol.5~池田 賢司さん | Vol.6~青木 栄一郎さん


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