総合大学におけるFinaleの導入:筑波大学

 

楽譜作成ソフトウェアFinaleは音楽教育・研究の現場でも広く活用されていますが、その導入は音楽大学に限りません。総合大学においても音を扱う学問分野があり、そこで記譜が必要となる場合にはFinaleが活躍しています。ここでは筑波大学でのFinale導入事例を紹介いたします。

西洋にて音楽が算術や幾何などと並びリベラル・アーツの一科目とされた歴史にあるように、音楽は古来、科学としての側面も強く持っていました。今も理系の学問分野と親和性が高いと言われる音楽。これを視覚化するツールであるFinaleが、総合大学でどのように活用されているか、みてみたいと思います。


全学計算機システムでFinaleおよびMaxを導入
全学生がFinale、Maxを利用可能

茨城県つくば市にある筑波大学では、全学生が利用できる全学計算機システムでFinale、および音楽制作でも用いられるプログラミング・ソフトウェアMaxを導入しています。

これらのソフトウェアは、研究室や学部単位ではなく全学計算機システムで導入されており、東西1km、南北5kmに及ぶ筑波大学の広大なキャンパス内のどこの端末でも使用可能となっています。

筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類のキャンパス
情報メディア創成学類では音楽も扱う

同大学の情報学群 情報メディア創成学類では、ネットワーク情報社会に不可欠な基盤的技術の分野や、Web・映像・音楽などの多種多様な情報をコンテンツとして扱い流通させる分野において、革新的技術や科学的理論を創造的に生み出すことができる人材養成のための教育を行っています。

音楽情報科学研究室でのゼミ風景
人と音の情報学研究室 (LSPC) での取り組み

同学類に属する教員の研究室の1つである「人と音の情報学研究室(LSPC)」では、音合成・認知・情動・音環境など、音や音楽を中心とする学際領域に属する研究を行っています。

この研究室で学ぶ学生は、「歌唱の難易度に関わる要因の分析」「ポピュラー曲におけるサビ等のパートの認知」「RWC データベースによる楽器音の分析」「ジャズの即興演奏の比較分析」「機械学習を用いたジャンルや作曲家の識別」など、総合大学ならではのアカデミックなアプローチに基づいたユニークな音楽研究を行なっています。

授業の資料作成にFinaleを活用
Finaleの活用

Finaleは全学計算機システム以外でも音楽研究を行う個別の研究室に導入されており、学生や教員の間では教材やプレゼンテーション資料、論文等に掲載する譜例の作成にも活用されています。

学内においてFinaleは楽譜作成の他、音楽的データをMIDIファイルとして取り込み楽譜として視覚化したり、プレイバックにて再生する目的でも多用されています。

授業での利用としては、学部の3、4年生を対象とした講義科目「音楽・音響情報処理」があり、ここではFinaleおよびMaxをはじめとした音を扱うソフトウェアの概略が紹介され、毎年およそ50~60名の学生が受講しています。

LSPCの平賀譲教授によると、筑波大学において、数ある楽譜作成ソフトウェアの中からFinaleが選ばれた理由は、高機能である一方、取り組みやすく、使い勝手が良く、音楽制作ソフトウェアとして一般的に使われているためであるとのことでした。

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この取材を通じて、現在のソフトウェア開発で話題となっている旋律認識や楽器音認識といった分野の基礎技術は総合大学でも培われているのだという実感を得ることができました。これらの技術は、ひいてはFinaleを始めとした音楽制作ソフトウェアの進化をもたらすものとなるかも知れません。

現代では音楽は、コンサートやCDなどで聴く以外にも、テレビ番組やネット番組、映画、ビデオゲームなどメディア・コンテンツを媒介に、さらには機器の着信音や操作音、街中での環境音としても、自然に耳に入ってくる機会が増えています。

こうした中で音楽に関する新たな切り口からの研究開発はより進むことが予測され、ここにも音楽を視覚的に記録する楽譜作成ソフトウェアFinaleの活躍の場がありそうです。

(取材及び執筆:2020年2月)


 

関連記事リンク集

 

《プロのFinale活用事例:アーティスト別》

  • 外山和彦氏:作編曲家 “手書き時代はスコアを切り貼りしたり苦労をしたものですが、Finaleを使うことで圧倒的に便利になりましたね。仕事場にはもう五線紙がありませんよ”
  • 吉松 隆氏:作曲家 “我々プロの作曲家にとっては、こと細かい調整ができるという面で、やっぱりFinaleなんですよね。Finaleは、車に例えるとマニュアル車みたいなものなんです”
  • 松本 あすか氏:ピアニスト/作曲家/音楽教育家 “Finaleは楽譜のルールを学習するためのツールにもなっているんだなと思います。楽譜が分かるようになれば、読む時の意識も変わります”
  • 栗山 和樹氏:作編曲家/国立音楽大学教授 “Finaleを使えば「バージョン2」を簡単に作れることは大きなメリットですね。特に作曲面でトライ&エラーを繰り返すような実験授業では、Finaleでデータ化されている素材は必須です”
  • 櫻井 哲夫氏:ベーシスト/作曲家/プロデューサー/音楽教育家 “Finaleの普及で、演奏現場では以前は当然だった殴り書きのような譜面はほとんど見られなくなり、「これ何の音?」などと余計な時間も取られず、譜面に対するストレスがかなり減りました”
  • 紗理氏:ジャズ・シンガー “ヴォーカルだと特に、同じ曲でもその日の気分やライブの演出によって、キーを変えたい時がよくあるんです。そんな時でもクリックひとつで移調できるわけですから、これはものすごく便利です”
  • 赤塚 謙一氏:ジャズ・トランペット奏者、作編曲家 “作る人によってレイアウト、線の太さ、フォントの選び方など好みがあり、手書きのように作った人の「らしさ」が表れます。この辺がFinaleに残されたアナログな良さかも知れません”

《プロのFinale活用事例:テーマ別》

《楽譜作成ソフトウェアの導入メリットを考える》

《Finaleの基本操作を学べるリソース》

  • 譜例で操作方法を検索:Finaleオンライン・ユーザーマニュアルより。Finaleで可能なこと、それを行うための操作法が一目で分かり、初心者の方には特にお勧めです。
  • クイック・レッスン・ムービー:Finaleの操作方法や便利な機能などを30〜60秒程度の短い映像でご紹介しています。

 

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